はじめまして。私は岡本幸子、アメリカのインディアナ大学・大学院の民俗学部でEthnomusicologyを勉強しています。

 Ethnomusicology - 日本語に訳すと『民族音楽学』ということになるのですが、実は芸術音楽(クラッシック)を含む全ての音楽に対する学問なのです。私が興味をもっているのは東ヨーロッパの音楽、特にポーランドの音楽で、ショパンが有名にしたポロネーズやマズルカ、そしてグラル・ミュージックと呼ばれ、シマノフスキに多大なる影響を与えた山岳地方の音楽などです。

 皆さんは『インディアナ』と聞いて何か思い浮かぶものがありますか?カーレースに興味のある方は『インディ500マイル』、バスケットボールの好きな方は『インディアナ・ペイサーズ』、そしてアメリカン・フットボールの好きな方は『インディアナ・コルツ』を思い浮かべるのではないでしょうか。

 あの、若くして亡くなった伝説的名俳優のジェームズ・ディーンが生まれ育ったのもここ、インディアナです。
しかし、このようなことに興味のない方はインディアナ州がアメリカのどこに位置するかも知らない方が多いのではないかと思います。インディアナ州は中西部に位置し、シカゴのあるイリノイ州、デトロイトのあるミシガン州、クリーヴランドのあるオハイオ州、セントルイスのあるミズーリ州、そしてケンタッキー州に囲まれています。私の住んでいる町からシカゴやセントルイスなどの都市には車で4時間程度です。


ジェームス・ディーン生家

ジェームス・ディーンのお墓


 さて、私もここ、アメリカの片田舎に住み着いて4年が過ぎました。思えば、私はスーツケースを二つかかえて住む場所も決めぬままインディアナ州の大学の町、ブルーミントンにやってきたのです。それから4年たった今は愛猫のキャラと二人(?)で小さな一軒家(ここだからなせるワザ!)に住んでいます。ここはニューヨークやロスなどの大都会とは違い、とても住宅事情が良いのです。
まあ、これだけを聞くと『なんて優雅な学生生活を送っているのでしょう!』と思われそうですが、ところがどっこい『優雅』とはかけ離れた生活なのです。それは機会があったらお話ししたいと思います。


 今回はまず、私の在籍しているインディアナ大学ブルーミントン校についてお話ししたいと思います。
Bloomington (Bloom - 花が咲く、to[w]n - 町)はインディアナ州の州都であるインディアナポリスから南西に車で約1時間(100Km)程の所に位置する町です。住んでいる人のほとんどがなんらかの形で大学と関係しています。例えば、私の家の右隣はバイオロジーの教授、左隣はライブラリー・サイエンスの元教授、そしてそのお向かいは教育学部の職員といった具合です。そしてここには色々な国から留学生が来ています。特に私の在籍するFolklore(民俗学部)は国際色豊かです。私の知っている限りでも、ナイジェリア、インド、バングラディシュ、ギリシァ、トルコ、ジンバブウェ、スーダン、アルゼンチン、メキシコ、ベトナム、中国、韓国、そして日本などの国から集まって来ています。これだけ国際色豊かな学部もめずらしいのではないでしょうか。


 それではインディアナ大学ブルーミントン校観光と参りましょう。
この大学は全米の中でもかなり大きい大学で、設備も大変充実しています。


メイン・ライブラリー

 大学のほぼ中心にそびえ立つメイン・ライブラリーは全米で12番目の蔵書数を誇っています。(もちろん、ナンバー1は国会図書館)日本語学科もあるため、日本の本や日本語の本もたくさんあります。

Musical Arts センター

この大学にはメイン・ライブラリーの他にミュージック・ライブラリー、アート・ライブラリー、ビジネス・ライブラリーなど学部専門のライブラリーも多数あります。ミュジック・ライブラリーには数々の楽譜やCDなどが取りそろえてあります。


 全米でもめずらしい校内のアート・ミュージアムにはピカソの作品もあるのです。ここの大学のほとんどの建物はライム・ストーンというインディアナ州原産の石でできているのですが、このアート・ミュージアムには全くライム・ストーンが使われていません。それというのも、このミュージアムを作る際に多大な寄付金を出した人が大のライム・ストーン嫌いで、寄付の条件に『ライム・ストーンを使わない』ということを出したと言われています。

 ここの学校にはミュージカル・アーツ・センター、劇場、大小いくつかのホールなどがあり、ミュージック・スクールも有名です。

次回は、ミュージック・スクールやそこの教授陣など、音楽に関したことをお伝えしたいと思います。


著者 Sachiko Okamoto

プロフィール :町田高校在学中に音楽の道を目指し、声楽を遠藤優子先生に師事。東京音楽大学音楽教育科卒。現在はインディアナ大学大学院民俗学部にてEthnomusicologyを専攻し、ポーランドを中心とした東ヨーロッパの音楽、そしてアメリカのポーランド系移民の音楽を研究中。そのかたわらで声楽を習い、ピアノのレッスンを受けにドイツまで行ったりしている、キャラちゃん(猫)のママ。