11月にNYに訪れるあなたへ

 ずいぶんNew Yorkも寒くなってきました。もうすぐシティ・マラソンがあります。1年を通してNew Yorkには走る人が多いのですが、このマラソンではさらに海外からも『走る人』がやって来るので驚くべき人数になります。ゴールに近い私のアパートメント近辺は抱きあう人々の感動の嵐が吹き荒れます。
私もそれを見ているだけで、涙が・・・

11月27日はThanks-giving dayです。この日は入植者とインディアンがそれまでの争いを止めて、同じテーブルにつき、ターキーを食べたことに由来する祝日で、平和を象徴する日としてクリスマスよりも重んじられているほどです。ですから、学校も会社もお店もお休み。元日も休まないメトもお休みです。そして遠くに住む家族もこの日は帰ってきて、皆一緒にターキーを食べて過ごすのです。

 さて、今月のコンサートで1番、私と夫が楽しみにしているコンサートはALICE TULL Y HALLであるベートーヴェンの7重奏とシューベルトの8重奏のコンサートです。なぜなら、これらはバスーンとチェロの共演できる数少ない曲のうちの2つであり、私達の『愛すべき曲リスト』の中の2曲でもありからです。決して惚気ている訳ではないですよ。本当にこういうプログラムって珍しいのです。もう1つ、エマーソン弦楽四重奏ってご存じですか? すごく生き生きした演奏を聴かせてくれます。去年と今年の2年間でベートーヴェンの弦楽四重奏全曲を演奏する予定で、今月末にも1度コンサートがあります。その頃にいらっしゃるなら、是非1度聴いてみてください。こちらもALICE TULLYです。

 11月のNew Yorkフィルは残念ながらKurt Masur氏は振りません。たぶんライプチヒで忙しいんだろうなぁ、と少し寂しいNew Yorkです。が、Akiko Suwanaiがメンデルスゾーンの協奏曲を弾くんですよ。どんな演奏が聴けるのか、今から楽しみです。今シーズン、New Yorkフィルと共演する日本人ソリストは彼女も含め3人もいるのです。頑張れ、日本人!!!

 夜はオペラやミュージカルに行きたい方、チケットが獲れなかった方、リハーサルを聴いてみたい方は、New Yorkフィルのオープン・リハーサル($10)に行かれるのがいいと思います。水曜か木曜の午前9時45分から始まるのですが、人気のあるプログラムの時はほとんど満員です。遅刻は厳禁!

州立劇場はCity BalletとOperaが3ヵ月交代で公演するので、今月でCity Operaの前半のシーズンが終ります。11月はヘンデルのオペラ『Xerxes』や昨年の5月にミュンヘンで初演されたTan Dunの『Marco Polo』が面白そうです。後者は英語、イタリア語、中国語で歌われるそうなので、ますます興味深いです。もちろん、私もまだ聴いたこともないですし、たった4回の公演なので、これは貴重かな、と思っています。

 メトではストラヴィンスキーの『The Rake's Progress』が観たいです。たぶん、一生に1度位しかみれないんじゃないかな。私はストラヴィンスキーがオペラを書いていたと知ってショックを受けました。自称オペラ・マニアなのに。また、今月のTura ndotはEva Martonが歌います。もちろん有名なあの舞台で。『タンホイザー』はLevi neの指揮です。New Yorkフィルもそうですが、やはり音楽監督の力は大きく、Levineの振る日はオーケストラや合唱がピリリと引き締まって聞こえます。12月に『メトを聴く旅』を予定している方、可能なら11月半ばからの旅をお勧めします。この時期がシーズンを通してみても、1番沢山Levineが指揮するのです。ということは、より素晴しいメトを聴くチャンスがある!

 最後に絵画と音楽、両方を楽しみたいワガママなあなたに、とっておきのコンサートがあります。

メトロポリタン美術館でのAndras Sch iffとPeter Serkinの
『2つのピアノのための音楽』はいかかでしょう。メトロポリタン美術館はセントラルパークの東側に建つ美術館です。
とっても大きいので全部見たい方は2日間、足が棒になるまで歩いてください。それだけしてもコレクションの4分の1か3分の1なのです。興味のあるところだけでも、きっと満足できると思います。ただ必ずエジプト部門は見るコト!また、エジプト部門の地下に位置するコスチューム部門は少し分かりにくい場所ですが、女性は楽しめると思います。でも、このコンサートだったら『絵のついでに・・・』なんて言えませんね。

 それでは、いい音楽の旅をしてください。

Katura