12月にイタリアへ来る人のために

 12月というと、こちらヨーロッパはクリスマスの雰囲気でいっぱいです。日本のクリスマスとはひと味違った、クリスチャンでなくたってなんとなくワクワクした気分になってしまう季節です。

 そこで、せっかくですから、ちょっと時間を割いてヴィーンに寄り道することをお勧めします。

 クリスマスの雰囲気いっぱいのヴィーンはとても素敵です。ヴィーンには路面電車が走っているのですが、それに乗って旧市街を囲む「リング通り」を一周し、街をふらふらっと散歩してその雰囲気を味わうだけでもう、素敵な気分になってしまいます。が、さらに、ヴィーン少年合唱団の天使のような歌声を聞くのもいいですし、又、絵画に興味のある方は本場のクリムト、シーレなどを楽しむのも一案ですね。






 イタリアにも勿論、美術館は沢山あるのですが、中世などの古いもの、特に宗教画が多く、あまり興味のない私などはちょっと閉口してしまいます。それはともかくとして、ヴィーンといったらシュタッツ・オパーを忘れるわけにはいきません。シュタッツ・オパーではほぼ毎日、何かしらのコンサートを上演しています。チケットは、見るものが決まっていたら日本から予約していくのが無難でしょうが、その日のプログラムにもよるものの、私の経験ではたいてい当日券が手に入ると思います。元気のある方は《立ち見》という手もあります。

《立ち見券》は当日券のみの販売で、開演1〜2時間前に行って並ばなくてはならないし、立ち見ですから、演奏のあいだじゅう立っていなければならない、などの苦労はありますが、約300円(間違いではありません)でオペラが見られるのは、なんといっても魅力的です。(ああ、日本となんという差でしょう)

 さて、オペラを観たあとは空路、ローマ又はミラノに直行です。もし時間に余裕があれば電車の旅というのもよいかと思います。電車ならどうせですから、さらに欲張ってモーツァルト生誕の地、ザルツブルグを訪ねてみるのも悪くないですね。ヴィーンよりこじんまりとした、しかし又違った良さに浸れることでしょう。私の大好きな街のひとつでもあります。そうそう、ひょっとして運が良ければ、雪のザルツブルグが見られるかもしれません。これは又一段と素晴らしいものです。

電車はザルツからインスブリュックへと向かいます。ここでイタリア行きの電車に乗り換えです。余談ですが、イタリアの夜行列車は危険だと言われますが、北イタリアや中部イタリア辺りではそれほど心配する必要はないと思います。もちろん用心するに越したことはありませんが(編集部注:キャンディーやジュースに催眠薬という手口があるからね)。ローマより南では危ないらしいですが...

 さてさて、やっとイタリアにたどり着きました。イタリアといったらミラノ・スカラ座、イタリアオペラならやはりスカラ座が一番でしょう。スカラ座のシーズンは12月7日に開幕します。プログラムはヴェルディの『マクベス』で棒はもちろんムーティ。12月13、16、19、21、30、1月2日と続きます。

ただ残念なことにスカラ座は、連日のように日替わりでオペラを上演するシュタッツ・オパーと違い、プログラムが少ないのです。そのうえ、当然ながら人気があるのでチケットも高め、入手困難なのです。絶対に観たい!という方は、是非、日本から早めに予約することをお勧めします。

 又、かりに入手できたなかったとしても、そんなにがっかりする必要はないかもしれません。スカラ座よりちょっと落ちるかもしれませんが、イタリアにはあちこちに歌劇場があるからです。その中でもボローニャ、ジュノバ、ローマ、フィレンツェあたりではきっと良いものが観られるのではないでしょうか。又、ふらりと歌劇場に足を運べば、前売券なり当日券なり、きっと何かしら手に入れられると思います。






 クリスマスも間近になると、教会でもちょっとしたクリスマスコンサートなるものが、よく演奏されます。
街を散歩がてらに教会を覗いてみれば、運良くパイプオルガンの音を聞くことができるかもしれません。

 大晦日をイタリアで過ごす方は、除夜の鐘の代わりに爆竹の音を耳にすることでしょう。この爆竹さわぎはナポリあたりが最も盛んということなので、その爆竹騒ぎを体験するのも面白いかもしれません。ただし、毎年負傷者が数人出る、というので注意が必要ですね。

それでは、素敵なクリスマスと良い新年をお迎え下さい。



著者 Chiharu