ボン・ジョルノ! はじめまして、渡辺智春、28才です。

 現在、イタリアはピサに在住。もうすぐ11ヶ月になる女の子のママです。
歌をこよなく愛し、イタリアのどこかの歌劇場で蝶々夫人を歌う日を夢見て、現在、奮闘中というところです。

 実は私、大学時代はフルート専攻でした。それまでフルートを生涯の良き伴侶にと決めていたのですが、何故か、大学3年のとき、歌に浮気心を起こしてしまったのです。浮気のはずが、恋の炎がめらめらと燃えあがり、本物の”恋”に変わってしまったのです。そしてとうとう、スーツケース片手に、歌と共にイタリアに駆け落ちしてきた、という訳です。
さて、前置きはこのぐらいにして、今回は、私の住んでいるピサの町をちょこっとご紹介しましょう。

 ピサはイタリアの真ん中より上に位置した、海よりの、まあ中規模の町です。気候は海のあるおかげで温暖で過ごしやすいと思います。ただし、日本より春・秋が短くて、「わあー あったかくなってきたなー」なんて言っているうちに、もう、あっと言う間に半袖シャツでも暑いくらいになって、「涼しくなってきたね」なんて言っていると、もう、あっと言う間にセーター、コートが必要になってくるといった具合です。

 一日のうちでも、温度差が結構激しいのです。夏なんて、日中、袖なしでも暑いくらいですが、朝晩は冷え込み、毛布がないと寝冷えしてしまいそうです。ですから、もしイタリアにいらっしゃる予定の方、特に夏! イタリアの夏は暑いから大丈夫、などとおっしゃらず、1枚、何か上から着られるものを持って来られるよう、おすすめします。


 実は私も1度、失敗したことがあるのです。 とても暑い日でした。

 その日の公演はアイーダ。 ヴェローナのあの野外劇場でオペラが見られるとわくわくして、チケット片手に少し早めにホテルを出ました。 ところが夕立に出会ってしまったのです。 公演前にどうにか、雨はあがったものの、日没後、急激に温度が下がり、もしもの時にと思って持ってきた長袖のブラウスを着込みました。
それでも寒くて、寒くて、公演終了まで(その日の公演終了後、時計を見たらなんと! 夜の1時を過ぎていました。)両腕をさすりながらの鑑賞でした。野外劇場の’落とし穴’です。 という訳で、野外劇場でオペラを楽しもうという方は、厚手のトレーナーか、セーターなどをご用意した方が無難かもしれません。終了時間も、真夜中1時なんて具合ですから。

 話がヴェローナの野外劇場になったところで、もうひとつ。
 ヴェローナでオペラを見てみたいけれど、日本からチケット予約するのも面倒だし...。なーんて思っていらっしゃる方、最高席で絶対この日のオペラが見たい、なんておっしゃらなければ、当日券が結構、それも割安で手に入ってしまうのです。音楽祭の初日などはもちろん難しいと思うので、8月頃、最低2〜3日のヴェローナ滞在を決めてホテルが決まったらアレーナの下見気分で、現地に行ってみましょう。 時は夕方5時ころ! 若いアルバイトふうのアンチャンが、「ねえねえ、チケット買ってよー。」なんて具合でやっているのです。
 特に残券の多い日は、「ねえねえ、割引にするから買ってよー。」ってな具合です。私は、まあ何か一つでも見られればいいや、なんて思っていたのですが、<トゥーランドット>と<アイーダ>二つも、それもトゥーランドットは割引でチケットが手に入り、(日本円で2,700円くらい)大満足でした。

 あ、でもこのチケット、自由席なので開演1時間前には並んでいた方がいいです。そして、お気に入りの席を見つけたらサンドイッチやジュースなどで腹ごしらえしながら開演時間を待つことになります。開演が近づくにつれ、辺りが暗くなり(イタリアの夏は9時頃まで明るいのです)あちこちでローソクに灯がともされ、いよいよ...開演!!


 話がずいぶん横道にそれてしまいましたが、ピサのお話に戻しましょう。

 ピサには、そう、ガリレオ・ガリレイが重力の実験をしたということで有名な斜塔があります。数年前まではこの塔に登って町並みをながめることも可能だったのですが、現在は残念ながら登ることはできません。 というのは、この斜塔、現在も僅かではありますが、傾き続けているのです。 これ以上傾いては危ない!! という訳で、現在、大がかりな工事中なのです。この工事が終わったら(いつ終わるのか、まだ数年かかるようですが)きっとまた登れるようになるのでしょう。私もまだ登ったことがないので、実は楽しみにしているのです。

 


 ピサの町の中で私の一番のお気に入りは、ルンガルノと呼ばれるアルノ河沿いの通りです。 歴史的な建物や昔ながらの中世の街並みが続き、橋の上からのながめは、風情があってなかなかのものです。
 毎年6月16日の夜には、”聖レニエの照明”といって、翌日の宗教的祝日にちなんで、このルンガルノ全体がライト・アップされるのです。 それはもう、幻想的でとてもきれいです。 普段は騒音と排気ガスでいっぱいの通りも、この日ばかりは車両通行止めとなり、花火に屋台と、まるで日本の縁日とクリスマスが一緒になったような雰囲気です。
 もし、この時期にイタリアを訪れることがありましたら、是非、のぞいてみてください!
今回はこのくらいにしまして、次回はイタリアの海をいくつかご紹介しようかと思っています。それでは又。
 
  Ciao!!



 著者 渡辺 智春