とくに出典の記述のない記事は、「ハンブルガー・アーベントブラット」紙 www.abendblatt.de からの引用です。


【訃報】 カール・リッダーブッシュ氏死去
6月23日(月)ハンブルガー・アーベントブラット紙

 ドイツが生んだ大歌手の一人で、ワーグナー歌いとして一時代を築いたカール・リッダーブッシュが、先週末にオーストリアのヴェルスで亡くなった。65歳だった。同氏は長年心臓病を患っていた。

 リッダーブッシュは1932年レックリングハウゼン生まれで、テノール歌手ルドルフ・ショックの主催するアマチュア歌手コンクールで一躍有名になった。しかるべき教育を受けた後、その堂々たるバスは特にワーグナーの音楽でいっそう輝き、またリヒャルト・シュトラウスの「薔薇の騎士」のなかのオクス・フォン・レルヒェナウ男爵役としても理想的とされた。

 1966年以来同氏はバイロイトで歌い、その圧倒的なデビューの後10年の間、ワーグナーのあらゆる役においてテオ・アダム氏とともにほとんど独占状態を保った。しかしながら革新者ピエール・ブーレーズが芸術監督に就いてからは、その「緑の丘(バイロイト)」から離れることになった。リヒャルト・ワーグナーの孫のヴォルフガングに『新しい流れなんて私には何でもないさ』と語ったという。

 かつてヘルベルト・フォン・カラヤンが『世界でもっとも美しいバス』と呼んだリッダーブッシュは、バイロイトの他、デュッセルドルフのライン・オペラ、ザルツブルクの復活祭音楽週間、そしてウィーンの国立歌劇場で活躍した。ウィーンでは1978年に宮廷歌手の称号を授けられている。
 リッダーブッシュはリート歌手としても活躍し、レーヴェのバッラードではとりわけ名声を作った。


《旧東ドイツのストラディバリの所有権はどこに?》

5月31日ドイツニュースダイジェスト

 旧東ドイツには名器ストラディバリ、グァルネリを含む21丁のバイオリンがあって、旧東ドイツ文化省を通じて、優れたバイオリニストに貸し出されていたが、統一後の楽器所有権をめぐって連邦と州が対立している。
 現在その問題の楽器は所有権が定まらぬままベルリン楽器博物館の金庫に眠っているが、カンター内相はこの度「所有権問題は棚上げにし、バイオリンは才能のある若手音楽家に貸し出すようハンブルクのドイツ・ムジークレーベン財団に委託する」と発表した。これに対して真っ先に抗議に出たのはメクレンブルク・フォアポムメルン州  で、「統一条約二十一条によると、旧東ドイツ文化省の役割を引き継ぐのはあくまでわれわれ旧東諸州の文化省。われわれは東ドイツ州の若手奏者に優先的に貸し出すことを条件に、ベルリン文化基金に委託するつもりだった」とし、今回の決定について「旧西ドイツ州を優遇する措置」と非難している。
 名前が挙がったドイツ・ムジークレーベン財団の理事長は「一連の論争は統一ドイツにふさわしくない」として、10月3日のドイツ統一の日に全国コンクールを開き、優勝者にバイオリンを貸すことを提案している。

 妙案だ。でも一度分断された国の再生は難しい。

ドイツの州の中でもっとも日本にはなじみがないと思うが、ドイツの北東、東海に面する州。Rostock、Schwerin(州都)などを含む。


《第一四半期の注目CD》
5月28日ハンブルガー・アーベントブラット

 ドイツ・レコード批評家賞のための、第一四半期のノミネートCDが決まった。

【交響曲、協奏曲部門】
♪バルトーク/ピアノ・コンチェルト1番〜3番、アンドラーシュ・シフ、フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団(テルデック)
♪マーラー/交響曲第5番、ブーレーズ、ウィーン・フィル(ドイチェ・グラモフォン)

【室内楽、ピアノ曲部門】
♪フランク/プレリュード、コラール、フーガ、Stephan Hough(ハイぺリオン)
♪ヒンデミット/弦楽四重奏曲、Danish Quartet(cpo)
♪トゥーリナ/ピアノ・トリオ 1番、2番、Beaux Arts Trio(フィリップス)

【オペラ部門】
♪ヴァーグナー/『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、ファン・ダム、ヘップナー他、ショルティ指揮シカゴ響(デッカ)

【歌曲、アリア部門】
♪ヒンデミット/『マリアの生涯』、ルース・ツィーザック、ガーベン指揮
北ドイツラジオフィルハーモニー(cpo)
♪『オルガ・ボロディーナ、オペラアリアを歌う』、リッツィ指揮ウェールズ・ナショオナルオペラ管弦楽団(フィリップス)
♪『ジュリー・アンドリューズ、“マイ・フェア・レディー”を歌う』

【古楽、合唱曲部門】
♪フローベルガー/鍵盤楽器曲集、Moroney(Temperaments)
♪メンデルスゾーン/Denn er hat seinen Engeln befohlen(教会音楽」)、ベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団(Carus)
♪ローゼンミュラー/Vespro della beata Vergine、カントゥス・ケルン、コンチェルト・パラティーノ、指揮ユングヘーネル(ハルモニアムンディ・フランス)

【現代曲部門】
♪リゲティ・エディション、Vol.1/3、アルディッティ弦楽四重奏団、Aimard(ソニー)

【歴史的録音部門】
♪マーラー/交響曲第1番、ラフマニノフ/死の島、ミトロポールス指揮ミネアポリス交響楽団(ソニー)
♪エドゥアールド・エルトマン『1928年から45年の録音』(Bayer Records)
♪Ysaye『ヴァイオリン録音全集』(ソニー)

【映画音楽、シャンソン部門】
♪ヒンデミット/『In Sturm und Eis嵐と氷の中で』、デイヴィス指揮ベルリンドイツオペラ管弦楽団(RCA)
♪コルンゴルト『The Sea Hawk』サウンドトラック(Tsunami)
♪Zarah Leander/なぜ愛することが罪なの(Bear Family)

【ジャズ部門】
チック・コリア/Remembering Bud Powell(Concord)
Allan Holdsworth/None Too Sonn(Cream)


著者 Cantano