とくに出典の記述のない記事は、「ハンブルガー・アーベントブラット」紙 www.abendblatt.de からの引用です。


《え、パヴァロッティって楽譜読めないの?》 7月21日

 イタリアのスター・テノール、ルチアーノ・パヴァロッティが職業上の秘密を漏らした。それによると彼は楽譜が読めないという。『おれは音楽家じゃないんだ。だから深みには達しないだろうね』と62歳の歌手はミラノの
「Corriere della Sera」紙に語った。

 彼は自分が音楽的文盲ということをハンディ・キャップに感じておらず、『君が音楽を頭に入れて、体を使って歌えば、すべて上手くいくよ』と話す。彼を40年以上も伴奏しているレオーネ・マジエーラさんは『彼はどのオペラのアリアについてもその旋律線を思い出すことが出来るんです。』と語り、さらに『ルチアーノがちょっぴり残念がっているのは、できたらちゃんと音楽を勉強したかったということですね、もちろんもう遅すぎるんですが』
 しかしワーグナーのオペラを彼が歌わないのには、さらに他の理由があるという。『ルチアーノは外国語が苦手なんです・・・』

 私はパヴァロッティが大好きだから、彼が『おれは人間じゃないんだ』って白状するのを期待していたんだけど・・・。3大テノールがチャリティーコンサートをやったときテレビで見たのだが、他の2人はなんとかドイツ語で募金のお願いをし、一方パヴァちゃんはドイツ語が苦手なので、画面いっぱいに自分のひげ面をクローズアップさせ、ニンマリ微笑んでただひとこと、ビッテ!・・・と言った。最高だった。

Cantano




《第86回バイロイト音楽祭》 7月19日

 毎年バイロイトに音楽祭が戻ってくる時期になると、その「緑の丘」に発言権がない、今はちりぢりになったワーグナー一族から批判めいた発言が飛び出してくる。今回はニケ・ワーグナー。大ワーグナーの曾孫で、1966年になくなった「新バイロイト音楽祭」の創設者ヴィーラントの娘、そして現在の総監督ヴォルフガングの姪にあたる。

 彼女が25日に「トリスタン」で幕を開ける第86回バイロイト音楽祭を目前にして南ドイツ新聞の月刊誌に語ったところによると、バイロイトは今や内部崩壊の縁にあるという。『もし毎年50万人の観劇希望者のうち45万人を断らなければならないとしたら、もう本当に舞台に芸術があるのかどうか証明できないわ』
 音楽祭は今もまだ、神聖なる典礼の豪華さにゆえに消耗し続けており、『多くの人にとって、聞けるか、見れるかなんてことはどうでもいいのよ。大事なことは、ただあの社に入れるかどうかってこと。これは危険なことだわ。とくに他の場所ではワーグナーがよっぽど興味深く上演されているって言うのに。』
 彼女が『拒絶と、かんしゃくと、ボケのマイスター』と呼ぶヴォルフガング・ワーグナーの演出について、ニケ・ワーグナーは『工芸美術の退屈』と手厳しい。バイロイトはいまや硬直と停滞の結果だけを引きずって展開している。
 将来の音楽祭監督への唯一の立候補者として保証されている彼女は(『私はリヒャルト・ワーグナー協会の日取りまでに自分の意見書を提出します』)、次のような示唆を与える。『なぜいったいぜんたい、ひとつの夏に徹底してひとつの作品だけではいけないの? この劇場のために作曲されたパルジファルだけ、他には何もやらないっていうのはどう? それに夏の終わりに劇場を他の作曲家たちの作品に使うのはどう? たとえばマイヤベーア、ドビュッシー、シェーンベルク、ツィンマーマン・・・?』

一度も見たことがないからコメントできない。今からだと何年待てばいいのかな。

Cantano



《伝統か刷新か? 町民投票へ オーバーアンマーガウの受難劇》

 ミュンヘンの南、スイスに近いところにOberammergauオーバーアンマーガウという人口5000人ほどの町がある。この町は1634年以来続いている「キリスト受難劇」でその名を広く知られている。受難劇とは中世15世紀にもっとも栄えた宗教(典礼)劇で、その地方全体の住民が参加することもあったという。
 このオーバーアンマーガウはその伝統を引き継いでいるきわめて貴重な町で、この「キリスト受難劇」は10年ごと!に行われており、次の上演は2000年の5月。

 ところがここに、その上演形態と場所をめぐる保守派と革新派の議論が巻き起こり、町全体ならずドイツ中の関心を集めている。オーバーアンマーガウの町議会はこのほど、この秋に4回目の町民投票を行うことをわずかな賛成多数で可決した。

 ヨーロッパはわれわれ日本人から見ると保守的な感じがするが、オペラなどを実際見に行くと、斬新な演出に驚くことがある。大きなオペラ座で、モダンな、もしくは前衛的な演出を施さない演目は無いとさえ言える。投票の結果が注目されるところだ。



著者 Cantano