留学について 4
Musikbibliothek
ハンブルク中央図書館の音楽コーナー。楽譜、音楽書、CD、雑誌などがずらりとある。
このほかに、ハンブルク州立大学付属図書館、音楽学研究所、音楽大学図書館で楽譜、資料の探索が出来る。
つまり何一つ買う必要はないということ。


健康管理、保険について

 
ある程度の期間外国へ行くともなれば、やはり健康やけが、不慮の事故などにも気を配らなければなりません。持病のある方に注意して欲しいのは、日本からは一切医薬品を輸入できないことです。自分の常備薬がドイツ語でなんというのか知っておく必要があります。薬品を送ってもらったりすると税関に呼び出され、費用自分持ちで日本へ送り返すか、その場で廃棄処分に合意するかの選択を迫られます。つい最近私もカゼ薬を見つかってその場で捨てなければいけないハメになりました。胃薬は「調味料」、メンソレータムは「リップクリーム」だといって死守しましたが・・・。

 ドイツの州立大学は、学生保険に加入することを義務づけています。いろいろな種類の保険会社がありますが、ふつうの人はAOK(アー・オー・カー= Allgemeine Ortskrankenkasseの略)に加入しているようです。これはドイツ全土にある組織で、各市町村にその支部があり、加入手続きをすることが出来ます。30歳までは月々7000円ぐらいです。この加入者は、歯を除く 医療を無料で受けることができ【注1】、さらに、処方箋を要する薬が薬局で格安で買えます 【注2】。今年から、保険加入は学生登録の義務ではなくなったようなのですが、ヴィザの更新の際に加入証明を求められることもありますし、また実際自分のためになりますので、必ず加入することをおすすめします。

 一年くらいの留学期間であれば、日本から旅行保険に入ってくることも選択肢の一つになるでしょう。大手の保険会社では、ヨーロッパの大都市に社員を配置してサポートをする留学保険という商品も出しています。ドイツから他の国へ旅行に出るときにも有効なので、役に立ちます。これを使うときには、加入証明書を英語で書いてもらうことを忘れないで下さい。先に紹介したAOKでもドイツ国外で治療を受けた分は、ある一定の条件の下で認められます。

【注1】歯の治療も見てくれるような保険会社もありますが、もちろん月々の掛け金はだいぶ高くなります。
【注2】ちなみにドイツでは、薬局(Apothekeアポテーケ)ではほんとうに薬品だけを売り、日本のように生活必需品などは置いていません。医薬部外品を含む、化粧品、洗剤などはDorogerie(ドロゲリー)といわれるお店で買います。



ハンブルク大学内のある掲示板。
住居、アルバイト、車の売買、パーティー誘いなど、
なんでもある。


住居について

 
日本から何のつてもなくドイツへ行くのは誰でも大変心細いものです。私などは知り合いの、知り合いの、・・・そのまた知り合いのドイツ人の家庭に一ヶ月半くらい居候して、家を探しました。家が見つかるまでは気持ちが全然落ちつきませんね。

 さて、留学先に友人がいても見つかるまでに大変な苦労のある家探しですが、ドユッセルドルフ地区や、ベルリン、ミュンヘン、ハンブルクなど大都市では「日本人会」なるものがあって、アパート情報なども手に入ります。もちろんここには不動産会社が提供するやや高めの住居情報が多いのですが、なかには問題を起こさない(優良な)日本人を特に見込んで広告を出してくるプリバートの大家(つまり職業大家ではない人)もいます。
 不動産を通したときの物件の場合、日本同様、敷金と礼金があります。ただ、敷金Kautionの方は預けるだけで、契約解除の時に規定の利子が付いて全額戻ってきます。北国ドイツでは暖房費が相当な額に達するため、家賃がすべての必要経費を含んでいるか、水道、電気代は別払いかなど、詳細な検討が必要です。この辺の所は、前回のページに写真で載っている本などを参考にして下さい。

 留学生に一般的なのは、Studentenwohnheim学生寮です。これは狭い一部屋の住居ですが、安いし(月2万円までくらい)、いろいろな友達が出来ますので、やはりおすすめです。ただしもちろん学校の入学許可証がなければ手続きが出来ませんので、それまではやはりどこかにつなぎの住居を探す必要がありますね。
 音楽学生は、できれば自宅で練習したいというのも大きな悩みです。ドイツ人は一般的に静寂を好みますから、練習出来る部屋を見つけるのは至難の技です。半地下のような住居、富裕な家庭の「はなれ」などがその数少ない可能性の例です。

 学生の間では、Wohngemeinschaft「共同アパート」なるものも一般的です。これは本来なら3部屋でひとつの住居なのを3人で借りて住み、その家賃を3等分する方式のことです。従ってシャワーや、トイレ、台所などは共同になります。プライバシーなど難しいところもあるでしょうが、国際人をめざすたくましい方にはおもしろい生活でしょう。これらの情報は学校の学生会などに行くといつもたくさん張り出されています。
 
自動車免許状

 
こちらで車を買うほどの余裕がないひとでも、免許を持っている人ならこちらで運転してみたいと思うでしょう。日本を出る前に国際免許証を作ってくるのがかつては一般的でしたが、最近、在独日本領事館へ日本の運転免許証を持っていくとドイツ語の証明書を書いてくれます。それでドイツ国内は運転できるわけです。皆さんが来る頃には、その証明書でEU全域で運転できるようになっているかもしれません。

その他の情報

 以上4回にわたって私が思いつくままに書いてきた「留学」シリーズですが、もちろんご紹介したのは、留学に関わるもろもろのごく一部です。言葉の問題で、日本ではごく単純なことも大問題になり、予想されない事態もたくさん起こります。

 ドイツに関心を持っている人たちがいくつかメーリング・リストを作っているので、出発前からいろいろな情報を仕入れ、実際に生活している人たちから生の忠告を聞くのも良いかもしれません。私が知っているのはそのうちの「メーリング・リスト・ドイッチュラント」で、申し込みは seiji.imai@nuernberg.netsurf.de です。

 最終回の「留学5」では、自分の経験をふまえて古楽に興味がある人を対象に書いてみようと思います。


Cantano